高校3年3学期

キャリアデザイン学部クラス

高校3年3学期

3学期キャリアデザイン学部クラスの取り組みは、法政大学キャリアデザイン学部の3領域(①発達・教育キャリア領域、②ビジネスキャリア領域、③ライフキャリア領域)をもとに、自分自身の問題意識にそって「社会課題」を発見し、自ら「問い」をたて、現状を分析し、課題解決にむけて提言していきます。

班活動や講演会、プレゼンテーション、論文作成などを通して、自分を見つめる(自己との対話)こと、社会に向き合うことを意識するとともに、以下の「3つの軸」を追究することを目指しています。
① 生きる「軸」を考える ~キャリアデザイン学へ~
② これからの社会での「自分の生き方」を考える ~キャリアデザインの視点から自己との対話
③ 「人」の支援を考える ~問題意識を磨き、自分の視点からアプローチ~

 短い期間ですが、それぞれの課題にしっかりと向き合えるような取り組みを進めていきたいと思います。

2024年度 キャリアデザイン学部クラスの取り組み

取り組み その1

キャリアデザイン学部クラスでの活動がいよいよ始まりました。各班で研究テーマを設定し,テーマの現状認識,問題点を整理しながら,班,個人としての「主張」を論ずることができるよう討議を進めています。

115日(木),本校卒業生でキャリアデザイン学部に進学し、現在教育支援サービス業に就職している中野涼さんからお話を伺いました。大学生活一般については,「キャリアデザイン」とは何か,どのように捉えるのかといった学部そのものについての説明だけではなく,大学生活をどのように過ごすのか,どのような大学生になってほしいかなど,多岐に渡るお話をいただきました。また,現在の仕事に就くに至った経緯や,仕事の内容・働き方についても話をしていただきました。

中野さんは,未来ある子どもたちが自らのなりたい姿に向けて自ら意思決定できる社会を実現したいという夢をもち,行動に移してきました。教員という形ではなく,いろいろな方面から子どもたちを支える仕事があることを知りました。これから大学生になる高校生へ「何か1つでも熱中できることを見つける」「まずはやってみる」などのメッセージをいただいたことがとても深く印象に残っています。生徒たちも卒業生の話をとても興味深くきいており,積極的に交流をはかることができました。

124日(火),「向ヶ丘遊園跡地保全運動と生田緑地」をテーマに,「向ヶ丘遊園の緑を守り,市民憩いの場を求める会(通称・遊園の会)」の方々の案内のもと,生田緑地内を歩きました。他学部合同の取り組みですが,このクラスでは,遊園の会という市民団体の活動から,人と社会の関わり方,まちづくりを通した地域と企業・役所との連携によってよりよい地域社会をどのように形成していくのかについて考えました。

取り組みではまず,遊園の会の松岡嘉代子さんによる講義を聞きました。そのあとの生田緑地を散策する自由時間では多くの人が枡形山展望台に上り,その眺望に声をあげていました。向ヶ丘遊園跡地をめぐる踏査では,まだ残っている大階段やアトラクションの基礎部分にかつての遊園地の姿に思いを馳せることができました。また,バラ園がボランティアによって維持されていることを実際に見ることができました。けもの道の中を歩く場面もありましたが,天気にも恵まれ緑地散策を満喫しました。

取り組み その2

【FW 子どもの居場所をまもる-川崎市子ども夢パーク訪問-】
1月23日(木)、川崎市子ども夢パークを訪れました。事前学習として、NHKドキュメント72時間「どろんこパーク” 雨を走る子どもたち」を視聴しました。雨のなかも子どもたちが楽しそうにパーク内を走り回っていたのが印象的でしたが,現地を訪れて同じ建物や同じ遊び場があるとみな嬉しそうでした。そして講演後は楽しそうに遊んで帰っていきました。
講演は,夢パーク園長友兼さんからお話を伺うことができましたが,子どもと大人の関わり方について多く学ぶことがありました。生徒たちからは,「子供に対して否定的に見ないで肯定的に捉える接し方は子供たちをのびのびと育てることができると思った」「ルールは子どもの声を聞くためというところがすごい印象的に残った。ルールというのは何かを規制し、行動を制限するためのものではなく、子どもが声を出しやすい環境を作るということにすごく納得した」「子どもの1人の人間としての権利を尊重しつつ、自分の選択に責任を持たせるのは、幼い頃から学びや気づきが増えるため、貴重な経験だなと感じた。「やってみたい」と言える場所が用意されているのは、自分の得意分野や苦手分野を幼い頃から知ることができると思う」などの感想が寄せられました。

【FW(株)ライオンからみる働き方・働きがい】
1月30日(木)、本校OBの大谷海渡さんの働いているライオン株式会社を訪問して、企業見学とOB講演に行ってきました。ライオン株式会社は、2年前に新しい働き方にあった新本社を浅草橋に建てています。今回、企業見学を通して、働き方、働きがいとは何かを考えることにしました。
まず驚いたのは、社員の自由な働き方を推進しているところです。自分の固定された机があるのではなく、もちろん在宅勤務も許されており、大谷さんは「ミーティングをしたいけど上司がどこにいるのか分からない」と言っていました。例えば子供がいる社員は子供同伴で仕事ができるスペース、ペットと一緒に働ける職場、そしてジムや睡眠スペースが併設されており、社員一人一人のニーズにあった働き方を後押しするような設備が備えられていました。ミーティングも室内ではなく外の芝生で行うことで新しい発想が得られることもあるそうです。食堂はコンセプトが次々と変わるメニューが並び、飲み物のサブスクリプション、そして夕方からはアルコールも提供される場となり、外に出るとスカイツリーがとても大きく見え、隅田川花火大会のベストポジションになるそうです。ため息混じりの企業見学でしたが、大谷さんの講演でも色々と学ぶことがありました。「私の強みは○○だから、こういう仕事に就きたい」ではなく、「こういう仕事に就きたいからそれを活かせる私の強みは何か」を考えた方がいいと言う指摘にとても納得しました。

【講演 メディアで働く-OB櫻田さんの講演】
 2月6日(木)、本校OBであり現在ホリプロでプロデューサー業に就いている櫻田淳平さんの講演がありました。櫻田さんは男子校時代の話も交えながら,プロデューサーという仕事に至った理由について話してくれました。プロデューサーがなりたい職業ではなく,巡り巡って現在の職にあること,メディアの仕事がたくさんの人から支えられていること,その調整をするのがプロデューサーという仕事であることを教えてもらいました。仕事の話はもちろんのこと,メディアに関わる立場ならではの話もあり,とても興味深く聞いていました。

3学期の取り組みの一つの到達点として、2月20日にプレゼンテーション大会が開催されます。1月から班を組み、興味関心のあるテーマを設定してきました。当日はフィールドワークなどの研究調査を通して考えた問題点と解決法を各班20分程度発表します。

 

取り組み その3

3学期の取り組みの一つの到達点として、220日にプレゼンテーション大会が実施されました。発表は、フィールドワークなど研究調査を通して議論し、問題点と解決法をスライドにまとめたもので、20分程度発表しました。

各班、それぞれ工夫をこらして、テーマの現状、問題点、解決策について分析・提案し、お互いに質問して議論しあうことができました。

当日は、法政大学から情報リテラシー教育を専門にしている坂本旬先生にお越しいただき、各班に向けて多くのアドバイスをいただきました。6週間という短い取り組みでしたが、坂本先生からアドバイスいただいた点は、きっと大学での学びに繋がるかと思います。

キャリアデザイン学部に進学する生徒たちには、これまでの「出会い」と「学び」の経験を振り返ったうえで、4月からの新しい学生生活に邁進してほしいと思います。