高校3年3学期

社会学部クラス

高校3年3学期

 今年度の社会学部クラスでは、
①企業と社会・政治・経済
②人間と社会(アイデンティティ・ジェンダー・医療・福祉・教育など)
地域と社会(災害・貧困・コミュニティ・まちづくり・市民活動など)
グローバル社会・文化(人種・民族・言語・宗教・食糧問題・エネルギー問題・紛争など)
メディア表現・分析・設計
という5つのテーマに分かれ、班ごとに調査・研究・発表を行います。
また、実際に大学生の先輩に話を聞いたり、多摩キャンパスに行くことで、自分の大学生活をイメージすること、社会学をはじめとする大学での学びに興味を持てるような講義の受講、普段お話を聞くことができない専門家の方の講義の受講なども予定しています。

2023年度 社会学部クラスの取り組み

取り組み その1

社会学部クラスは1月11日より活動を開始しました。
初日は、高校3年生は15クラスもあり、話したことのない生徒も多いため、アイスブレイクもかねてSGEを実施しました。それぞれの興味関心の共有を行った後、グループごとに分かれ、無人島に流れ着いたあなたたちに必要なものを8つ選んで、選んだ理由を共有するワークを行いました。このワークはグループワークの基本である人の意見を尊重することを体感してもらうものでした。このワークで学んだことを土台にプレゼン準備を充実させられるように取り組んでいきます。

翌日からプレゼン準備を班ごとに行いました。昨日のワークを踏まえて人の意見を尊重することを意識しながら準備を進めました。まずはテーマを広げていくためにマインドマップを個人→班の順で作成してもらいました。中心から話題を広げていくことに苦心している様子でしたが、文献を1冊試しに借りるところから始めて各班自分たちの興味関心を問いの形で示すことに注力しています。

1月13日には大学1年生のOB・OGから多摩キャンパスのことを総括してもらった後に、学科別に分かれ授業・ゼミなど多岐にわたってOB・OGを囲みながら紹介してもらいました。先輩たちに積極的に大学生活の様子を聞く生徒の姿がとても印象的でした。
社会学部クラスでは各人1カ所は自分で選んでフィールドワーク先を見つけ、行くことを課しています。そのため、どのような場所に行くべきか、またルールなどを確認する意味も込めて全員で行くフィールドワークも実施しています。この間の中では例えば、読売新聞本社見学や横浜市民防災センターでの地震火災体験などです。特に横浜市民防災センターでは、震度7の揺れの怖さを体験したことは印象深かったようで、体験後口々に体験内容を振り返る声が多かったです。1月23日には、これに関係して金沢区社会福祉協議会の方に防災ボランティアについてご講演いただきました。今回の体験や講演が少しでも生徒の中で自分事にできるようになってもらえたら幸いです。

 1月25日にはメディア社会学科の生徒に関係してArc Times代表の方にご講演いただきました。有名な方への取材の実際など普段聞くことのできないさまざまな貴重な話を聞くことができました。

取り組み その2

社会学部クラスでは1月29日に法政大学多摩キャンパス見学会を行いました。冒頭に社会学部学部長の宇野斉先生より激励の言葉をいただき、大学での学びへの決意を新たにしました。その後、キャンパスの先輩方の案内で、ウォーキングツアーを行いました。社会学部棟を中心に見学し、4月からの大学生活のイメージをより一層膨らませることができました。また、法政トークと題した学部生による座談会もあり、二高生以外の学生にもさまざまな質問に答えてもらいました。
大学生は高校とは異なり、より広い人間関係を築くことになります。全国さまざまな出身の学生と交流することになりますし、コミュニケーションをとることになることでしょう。そのようなことを知る貴重な機会に今回のキャンパス見学がなってくれることを祈るばかりです。

1月30日には社会学部2・3年生の学生に講演を行ってもらいました。年始の学部1年生による講演会以上に、ゼミの話や自主マスの話、アルバイトの話など多岐にわたって聞いたことのない話を聞くことができました。ここで多くの質問を講演者に投げかけたことで、大学生活へのぼやけたイメージがより鮮明になっていったのではないかと思います。

中学入試休み明けの2月6日には生徒に新聞で目にしたことがあるような社会問題に対して取り組んでいる大学生の講演がありました。この講演では、大学生という時間がやろうと思えば色々なことに取り組むことができる貴重な時間であることを実感してもらいました。また、2月13日には法政二高のOBで、社会学部のOBでもある芸能プロダクションに勤められている方からお話を聞きました。やりたいことが見つからないなど現在の生徒たちの悩みに対して真摯に答えてくださったので、感想用紙には励みになったなど前向きなコメントが多かったです。ここまでの多くの講演会が生徒の今後に大いに生きることを願っています。

2月22日(木)のプレゼンが近づいてまいりましたので、各班の発表テーマを紹介します。以下の通りです。
1班: 同性婚問題を解決するためにどのような法が必要なのか。また私たち個人にできることは何か
2班: 日本におけるプラスチック問題を解決するには
3班: 都市計画と暮らし~若者の視点から~
4班: 少子化を生きる私たち
5班: スポーツと地域活性化~スポーツツーリズムの可能性~
6班: 首都直下型地震の被害を最小限に収めるには
7班: ヤングケアラーの負担を減らすために
8班: 難民問題にどう向き合うべきか
9班: 自然災害とメディアの関係
10班: メディア発信がスポーツビジネスに与える影響
11班: テレビCM制作における表現上の配慮や戦略はどのようなものか
12班:現代の広告〜テレビ視聴率の減少によって起こる問題〜
13班:東京五輪からみる今後の五輪の形について
14班:効果的な広告とはどのようなものか
15班:外国人技能実習生にとって日本は働きやすい国なのか

取り組み その3

約2ヶ月に及ぶ3年3学期が終わりました。
3年3学期がスタートした当初は意思統一も何もない真っさらな状態でした。それもそのはずで、15グループもあると、これまで関わったことのない仲間も多くぎこちない雰囲気が続いていました。そこから徐々にグループのメンバーのキャラクターが各々理解するようになってきて、急成長できたグループもありました。例えば、大学での学びの入り口に立つことができているとプレゼン大会にお越しいただいた大学の先生にお褒めの言葉をいただいた班、たくさんのフィールドワーク先に出向き、当事者の声をプレゼンに盛り込むことができた班など班によっては3年3学期を通じてたくましく成長することができました。この経験をもとにより一層研鑽してほしいと思います。一方で、班活動ならではのコミュニケーションの難しさという課題もあり、なかなか思うように進まないこともありました。しかし、それは実社会にでてからもあることですし、何より大学生活の中でも必ず経験することだと思います。そうした貴重な経験ができたことが大きな財産になったのではないでしょうか。
 
最終日にとったアンケートの中にはフィールドワーク先から興味関心が広がったという声が多く、なかにはフィールドワーク先をきっかけに気になる仕事を見つけることができたという声も見られました。また、自分でアポイントをとる経験をしたことがなく、新鮮だったと振り返るコメントもあり、座学では学ぶことのできない貴重な経験ができました。そのために全体として3年3学期の取組みに満足できたようでした。担当教員一同これからの皆さんの大学生活が充実することを願っています。

最後に約2ヶ月間、さまざまなところでご協力いただいた方々へこの場をもって感謝申し上げます。