THAT'S 法政二!

高校授業紹介2 -高校1年数学Ⅰ-

高等学校
THAT'S 法政二!

 現代社会においては答えが1つではない複雑な課題を、他者と協力しながら解決していく能力が不可欠になります。このような社会を見据え法政大学第二中・高等学校では、全教科にわたる幅広い教養を身に付けつつ、さらに、知識を獲得するにとどまらず、知識を用いて「自ら論理的に思考し、他者に表現することができる力」の育成を目指しています。具体的にどんな授業が行われているのか、今回はある日の高校1年生の数学の授業を見てみましょう。

Q.今日の数学科の授業では、どんなことに取り組んでいますか?

 「授業で学んだこと(インプット)」を「問題演習(アウトプット)」を通じて理解度・定着度を確かめ、深める取り組みをしています。「問題演習」は教科書の内容が理解できているか確認する問題に加え初見のような応用問題も含まれています。問題演習では個々で取り組むだけではなく、「教えあい」「学びあい」を通じて、「クラス全体で1つの課題(問題演習)を解決していく」授業を実践しています。今回はそのクラスの様子を紹介したいと思います。

 具体的な取り組みとしてグループワーク(1グループ5、6名程度)の形で問題演習に取り組んでいます。取り組みが進んでいる生徒はグループの様子を見て手が動かない生徒へ声掛けたり教えたり、数学が苦手な生徒は同じクラスメートだからこそ、忌憚なく「わからない部分を教えてほしい」とヘルプを求めています。授業中はホームルームのように賑やかで活気にあふれています。また自分が所属するグループだけで取り組むのではなく、他のグループに聞きに行ったり、教えにいったりしています。担当している先生によっては、チームビルディングの要素を取り入れたゲーム性のあるグループワークを実践しています。まさに「クラス全体で」学習を進めています。先生はファシリテーターとしてクラス全体の雰囲気や各グループの様子を見て、グループが、クラス全体が課題解決できるよう、声掛けやヒントを出したり、個別指導等をしています。数学の得意な生徒も、「数学がちょっと苦手…」という生徒も「何か楽しそうに」問題演習をしています。授業が終わっても、頑張っている様子も見受けられます。

 インプットの授業では、先生がもちろん教科書を用いて基礎・基本を教えますが、それだけではなく全クラスへ事前に授業の補助教材としてGoogle Classroom上に教科書の内容をわかりやすく説明した参考書のような「説明プリント」とその「補足動画」を配信し電車通学の最中でも自学自習できる環境にあり、生徒は授業前に簡単に授業内容を予復習しています。単元によっては「事前に教科書と説明プリント・動画で学習したことを前提に、授業ではいきなり問題演習を行う」反転型(予習型)授業をすることもあります。高校1年の数学科はGoogle Classroomも活用した「ハイブリッド型」授業を行っているクラスもあります。

インプット授業の様子

Q.数学科では、このような取り組みをもとにして、どのような力を身に着けてほしいですか?

 数学は定義・定理などの「約束事」と一定のルール(論理)にしたがって、きっちり積み上げていく厳密な学問です。この「厳密さ(論理的思考)」は数学の「良さ」であり醍醐味ですが、逆に数学を敬遠してしまう原因にもなってしまっています。

 法政二高は法政大学の付属校として「受験にとらわれない」学びができます。「数学を通じて論理体系・思考方法を習得していく」ことは非常に重要です。その一方で「長い人生の中での数学」という視点でみれば、数学特有の「論理的思考」を習得することもさることながら、数学を通して「相手に『伝わる』ように『伝える』力」や、「主体的にお互いの持てる力を出し合い、補い合いながらチーム(クラス)が成長し課題解決していく力」、つまり『共助』の力も身につけていくことも重要と考えています。

 この取り組みの根底は法政二高が掲げている『主体性・共同性・総合性を意識した学び』を実現すること、延いては新学習指導要領に示されている『主体的・対話的で深い学び』を実現することにつながっています。困っている人にちょっと力を貸してあげる、困っていたら助けて欲しいと声を挙げられる、この取り組みを通じてそんなきっかけになってほしいと願っています。とは言っても、何より「みんなで一緒に頑張る数学だから、苦手だけど何か数学が楽しいし頑張ろうかな」「楽しいから力が身につく」と感じてほしいですね。

 今までの「数学の授業(学習)」は、先生が教科書の内容を説明し、それを一所懸命ノートに写して、言われた通りに解法を覚えて例題・練習問題に取り組む等の『受動的な』スタイルが多かったのではないかと思います。この学びは基礎・基本を身につける部分ではある程度同じですが、せっかく集団で学習するわけですから、「みんなで数学」「何か数学の授業って楽しいよね」と思って欲しいです。みなさんも法政二高で数学を学んでみませんか?

 

 いかがでしたか?法政大学第二中・高等学校ではこのほかにも様々な工夫がこらされた授業が行われています。今後もいろいろな授業について紹介していきたいと思います。

※授業における取組の内容については、年度によって変わることがあります。

グループで問題演習に取り組んでいる様子

グループで「教え合い」している様子