法政二高の高校3年生は、1~2講座の「必修選択講座」を履修します。この必修選択講座は、各教員が専門性をいかして講座を開く大学のゼミのような少人数の授業です。多種多様な講座の中から、生徒が自らの興味・関心や問題意識に応じて講座を選択し、より広く深く学習することができます。
今回は、理科の講座として開講されている「食べる植物学」について紹介します。
Q.「食べる植物学」はどんなことを勉強する講座ですか?
法政大学第二高等学校では、高校1年生で「生物基礎」を全員で勉強します。この内容をもとにしてさらに発展的に生物学について学びます。特に「食べる」ために栽培される野菜や果物について、その植物学的な特徴や栽培の歴史、環境との関わりについて学習を深めます。
Q.「食べる植物学」の特徴的なレポートや、取り組みについて教えてください。
「食べる植物」としての作物や、園芸植物を身近に感じてもらうため、実際に食べたり、料理したりする実習を行っています。例えば、「品種改良」に関する授業の中では複数の品種の米を食べ比べしたり、「食分化と加工」に関する授業の中では加工方法が違ういろいろなお茶の飲み比べをしたりしました。また、りんごジャムを作ったり、燻製を作った年もあります。コロナ禍の中では、こうした飲食を伴う実習が行いにくなったこともあり、アロマオイルを用いた石鹸の作成など「香り」に重点をおいた実習も行いました。
↓ある年のりんごジャムを作る生徒の様子です。座学もみっちりとやりますが、「食べる植物」の性質について知るためには「食べる」実習が欠かせません。
また、レポートにおいては毎年ユニークなアイデアを求める「小レポート」と、さまざまなデータを自分で集めてきて現実の問題に対する解決案などを書く「大レポート」を課しています。特に2学期の「大レポート」においては、神奈川県の農業や日本国内の農業の現状と課題についてまとめ、その打開策を提案するというレポートを課しており、例年AIやロボットを用いた提案や女性の活躍を促進するような提案など、先進的な打開案を提示してくれています。
↓小レポートでは毎年、「世界のさまざまな原産地からやってきた野菜を使ってお弁当をつくる」という課題を出しています。以外と普通の献立でも、世界各地からやってきた野菜たちが勢揃いして今の豊かな食生活が成立していることに驚く生徒も多いです。下はある年の生徒の力作です。
いかがでしたでしょうか?今回の「食べる植物学」を含め、法政二高では例年40~50個もの必修選択講座が開かれていて、それぞれ工夫がこらされた授業が展開されています。今後もさまざまな選択講座について紹介していきたいと思います。
- 開講される選択講座や、その内容は年度によって異なります。