THAT'S 法政二!

中学授業紹介3 -美術-

中学校
THAT'S 法政二!

 現代社会においては答えが1つではない複雑な課題を、他者と協力しながら解決していく能力が不可欠になります。このような社会を見据え法政大学第二中・高等学校では、全教科にわたる幅広い教養を身に着けつつ、さらに、知識を獲得するにとどまらず、知識を用いて「自ら論理的に思考し、他者に表現することができる力」の育成を目指しています。具体的にどんな授業が行われているのか、今回は中学美術科のある日の授業を見てみましょう。

Q.今日の美術の授業では、どんなことに取り組んでいますか?

 美術では、古典から現代美術まで幅広く触れ、幅広い分野の教材に取り組んでいます。制作や鑑賞を通じて楽しくわかりやすい授業を考えています。また美術やアートが自分たちの生活とどのように関わっているのか、どのように役立っているのか、何のためにあるのかについて身近なテーマを通じて学習してほしいと考えています。

 授業では絵画・デザイン・建築など幅広い分野から時代に合った教材に取り組んでいます。例えば中学1年生で色彩や形などデザインの基礎を学び、中学2年生1学期では基礎を元に自分が考えたロゴマークをデザインします。ロゴマークは、自分が考えた会社のコンセプトが反映されるようにデザインを工夫し、2学期は自分のロゴマークを使用した商品のパッケージを立体デザインし組み立てます。これは日常生活において美術やアートがどのように役立っているかを考え、身近な生活の中にある美術を楽しむ気持ちを育むことを目的としています。

 中学3年生では、「建築」の分野に触れます。「マイルーム」という教材では与えられた条件の中で、自分が理想とする部屋のデザインを行い、1/20の模型を制作します。制作では自分のデザインを表現するためいろいろな素材見つけて工夫をします。この教材でも自分の日常生活の中にある美術やデザインに気づくことが大切なテーマとなっています。また法政大学デザイン工学部には建築学科・都市環境デザイン工学科・システムデザイン学科があり大学付属校として将来につながる可能性も意識した教材として考えています。

 絵画では、日本の伝統的な表現に加えて現代のアニメ表現に見られるような平面的な表現方法の素晴らしさと西洋絵画に代表されるような陰影や遠近法を用いた立体的表現の素晴らしさをともに知って絵画の基本的な素養を身につけるようにしています。

Q.美術科では、このような取り組みをもとにして、どのような力を身に着けてほしいですか?

 美術科では、授業を通じて発想する能力・作品を鑑賞する能力と気持ちを育てて、新しい時代の美術・アートに興味を持つことを目標としています。

 発想する力を育てるためには土台となる様々な体験の蓄積が不可欠です。作品を制作することはもちろんのこと有名な作品や友人の作品など様々な作品に触れて鑑賞する機会を大切にしています。授業においては、内容を工夫しながら配信や電子黒板の有効的な活用をはじめ、より多くの作例や自作教材を示しながら具体的に解説をして時代に即した教材を取り上げます。さらにグループの話し合いによってお互いのアイデアを高める授業なども行っています。生徒それぞれのアイデアをもとに話をすることにより「共同の学び」を考え、同じイメージを共有しながら生徒同士お互いが高められるような授業を目指しています。

 鑑賞については有名な作品に加えて、身近にある美術ニュースや現代デザインを積極的に授業で紹介することによって美術に対する関心を高める工夫をしています。美術展情報を伝える際には、鑑賞の観点をわかりやすく紹介し、生徒が美術に親しめるような工夫をしています。西洋の美術とともに東洋的な美意識について接する機会を増やし、さらに現代のアニメ文化についても授業で取り上げるなど、様々な人物や作品の紹介を積極的に行っています。また生徒作品の校内展示を行い日常生活の中に美術やアートがあるような環境作りも進めています。

 いかがでしたか?法政大学第二中・高等学校ではこのほかにも様々な工夫がこらされた授業が行われています。今後もいろいろな授業について紹介していきたいと思います。

 ※授業における取組の内容については、年度によって変わることがあります。