現代社会においては答えが1つではない複雑な課題を、他者と協力しながら解決していく能力が不可欠になります。このような社会を見据え法政大学第二中・高等学校では、全教科にわたる幅広い教養を身に着けつつ、さらに、知識を獲得するにとどまらず、知識を用いて「自ら論理的に思考し、他者に表現することができる力」の育成を目指しています。具体的にどんな授業が行われているのか、今回は中学英語科のある日の授業を見てみましょう。
Q.英語科では、どんな取り組みを行い、その中でどのような力を身に着けてほしいですか?
中学英語では1・2年生では「英語Ⅰ・Ⅱ(全体授業)」「英語ハーフ(分割授業・日本人教員)」「英語ハーフ(分割授業・コミュニケーション・ネイティブ教員))」、3年生では「読解」「文法」「英語ハーフ(分割授業・コミュニケーション・ネイティブ教員)」に分かれており、さらに3学年共通、週1回の学習内容を点検する「英語定着」が設置されています。また、全体授業でも「音読テスト」を行い、全体を通しての多角的アプローチによる英語力の向上を目指しています。各学年の特徴的な取り組みを、以下に紹介します。
-中学1年生-
中学の英語ハーフ〔分割授業〕では、基本4技能・5領域のうち、特に「聞く(Listening)」と「話す(Speaking)」に関わる学習活動に重きを置いています。Listeningでは、ショップやスポーツ会場でのアナウンス、映画の予告編・天気予報などの情報を聞き取る練習をします。Speakingでは、日常の学校や道案内で使われる慣用表現を使って、対話の練習をします。
Speakingの発表領域では、「私の1日の生活」「私の考える理想のロボット」「他者紹介」「My Treasure」など、ガイドに沿いながら自分で英語の文章を考えて、クラスで発表する活動に取り組みます。
他者紹介(Introduce My Friends)では、教科書で学習した疑問詞を含む疑問文を使って、クラスメイトに質問し、回答の内容を「3人称単数現在形」を用いた英文で、クラスで発表します。この活動では、自分で考えた内容を英文で表す→英語の質問に英語で答える、といった与えられたものではない英語の意思疎通ができる力、得た情報を整理して発表する力を身につけることを目標にしています。これまでに3回の発表があり、生徒たちは、緊張しつつも、英語で発表することに慣れてきているようです。
-中学2年英語-
中学2年英語ハーフ〔分割授業〕では、一年生で身につけた英語の基礎知識を確実にするために、新たの文法項目と身につけた英語による文の作り方を再確認します。また、発表領域では「将来の夢」「行ってみたい国」「お礼のカード」など、オリジナルのSkitを作成し、クラスで発表する取り組みを行います。語彙や表現で英語ハーフ(ネイティブ教員)の取り組み「Country Speech」や「Show & Tell」ともつながりを持たせて連動しての取り組みとなっています。
全体授業でも、時にグループワークを通して「共に学ぶ」活動を行います。
―中学3年英語―
中学3年英語は、中学で学んだ3年間の総仕上げとなるだけでなく、高校に向けた準備段階の1年でもあります。授業は主に「読解」「文法」「コミュニケーション」に分かれています。
「読解」の授業では、教科書の英文の精確な内容理解の上に、英問英答や要約、そして英語らしく音読できることを目指します。授業内で「音読テスト」を実施、教科書のアクティビティに応じた「作文課題」や「グループ制作」を行い、生徒が実際に英語で表現する活動を重視しています。
「文法」の授業では、中学1・2年で学んだ文法事項の復習を適宜入れながら、新出の文法項目を理解しそれを用いて英語で表現できるようになることを目指します。
「コミュニケーション」は
Native Speakerの先生による授業です。オリジナルのテキストを用いて、SkitやSpeechなどさまざまな場面設定を通して会話練習を行います。英語で話すことをためらわずに発信できるよう、積極的な姿勢が求められています。
グループ制作の作品
2学期の取り組み 「広島のベスト3(またはベスト4)を紹介するパンフレットを制作」
*中学3年9月 研修旅行で広島を訪問しました。
1学期の取り組み 「日本限定アイスクリームを提案しよう」
いかがでしたか?法政大学第二中・高等学校ではこのほかにも様々な工夫がこらされた授業が行われています。今後もいろいろな授業について紹介していきたいと思います。
※授業における取組の内容については、年度によって変わることがあります。