現代社会においては答えが1つではない複雑な課題を、他者と協力しながら解決していく能力が不可欠になります。このような社会を見据え法政大学第二中・高等学校では、全教科にわたる幅広い教養を身に着けつつ、さらに、知識を獲得するにとどまらず、知識を用いて「自ら論理的に思考し、他者に表現することができる力」の育成を目指しています。具体的にどんな授業が行われているのか、今回は中学1年生の数学科のある日の授業を見てみましょう。
Q.今日の数学科の授業では、どんなことに取り組んでいますか?
中学生の数学の授業は、計算問題や関数・グラフを主に扱う「代数」と、図形の性質を学ぶ「幾何」の2つに分かれています。
1年生の代数では1クラス15人程度の少人数制で授業を行い、文字式の計算、方程式や不等式の解き方を学びます。授業内では問題演習に多く取り組んでいます。少人数授業だからこそできる丁寧な指導で、生徒一人ひとりとのコミュニケーションを大切にしながら、小学校までの「算数」から「数学」に変わる上で要となる計算力の定着を図ります。
幾何の授業では平面図形や空間図形の基礎、作図方法について学習をし、2学期後半から3学期にかけて三角形の合同などの「証明」に取り組んでいきます。空間図形の基礎を学ぶ授業では、「ポリドロン」という立体模型を用いて正多面体などの様々な立体を作成し、正多面体の性質やオイラーの多面体定理について実際に目で見て確認するなど、体験型の取り組みを行いました。
Q.数学科では、このような取り組みをもとにして、どのような力を身に着けてほしいですか?
「数学は積み上げが大切な教科」とよく言われるように、1つ1つの計算を速く正確に出来るようにする力を身につけるためには、日々の計算練習を欠かさずに行っていくことが求められます。その中で、途中式を丁寧に書いたり、証明の構造を理解して文章に表したりするといった表現力を、中学生のうちから身につけてもらいたいと思います。
問題を解いていくときに正解にたどり着くことはもちろん大切ですが、どのような道筋でその答えを導くのかを順序立てて考えることが出来るようになると、初見や難しい問題にも取り組めるようになります。中高6年間の土台となる数学力や論理的思考を獲得し、様々な問題に自ら挑戦して「数学って楽しい!」と思えるような取り組みを目指しています。
いかがでしたか?法政大学第二中・高等学校ではこのほかにも様々な工夫がこらされた授業が行われています。今後もいろいろな授業について紹介していきたいと思います。
※授業における取組の内容については、年度によって変わることがあります。