現代社会においては答えが1つではない複雑な課題を、他者と協力しながら解決していく能力が不可欠になります。このような社会を見据え法政大学第二中・高等学校では、全教科にわたる幅広い教養を身に付けつつ、さらに、知識を獲得するにとどまらず、知識を用いて「自ら論理的に思考し、他者に表現することができる力」の育成を目指しています。具体的にどんな授業が行われているのか、今回はある日の中学3年生の国語科の授業を見てみましょう。
Q.今日の国語科の授業では、どんなことに取り組んでいますか?
中学3年生の【読解】では、授業展開は魯迅『故郷』から開始しました。その後、『故郷』における「新しい生活」が、どのように現代日本の諸問題と関連しているかをレポート化しました。「新しい生活」とは端的に言えば、登場人物たちが引き裂かれる、貧困や落差の問題です。ただし、具体的にその内容は描写されていません。この『故郷』において消去法で語られる「新しい生活」を取り上げ、現代日本の諸問題をクロスさせます。関係する書籍を必ず一冊取り上げることを条件とし、図書館は3時間程度使用しています。
Q.国語科では、このような取り組みをもとにして、どのような力を身に着けてほしいですか?
様々な作品を読むことを通して、自己の現在の興味関心や問題意識を自覚し、それに見合う情報を図書館で収集・整理・編集することで、主体的に情報と関わる力、また、取得した情報から課題を発見し、その克服のために求められることを考え、「小論文」の形式に則ってまとめる、主体的に思考し表現する力を得てほしいと考えています。
特に、書く指導では四段構成(話題提起、事実提示、考察、今後の対策)に留意して、基本的な小論文の「型」を身につけてほしいと考えています。
いかがでしたか? 法政大学第二中・高等学校ではこのほかにも様々な工夫がこらされた授業が行われています。今後もいろいろな授業について紹介していきたいと思います。
※授業における取組の内容については、年度によって変わることがあります。