「中3総合」は、中学3カ年の集大成となる取り組みとして2021年度より新装しました。答えが一つでない複雑な現代的課題について、他者と協力しながら解決していこうとする資質や能力を培うことを目標としています。今年度は「HIROSHIMA」を年間テーマに、2回の中間発表や研修旅行での現地訪問を踏みながら探究を重ね、共同でプレゼンテーションを作成・発表していきました。学期ごとの活動を紹介します。
1学期の取り組み
まず、広島の「平和」「歴史文化」「自然環境」についての基礎知識を学びます。次に、関心領域を見つけるためのマッピングを行いながら、各班でテーマを設定します。考察すべき問いを含むテーマか、どのような流れで展開できそうか、プレゼンの全体像を見通して慎重に決めていきます。その後、基本的構成(①話題提示→②事実提示→③考察→④対策提示)に即して、調査・考察に入ります。「中間発表A」でそこまでの成果をクラスに発表します。
2学期の取り組み
9月の広島研修旅行は、原爆ドームや平和記念資料館に行ったり被ばく講話を聴いたり、平和について捉え直す重要な場となりました。自由行動時間にはテーマゆかりの場所へ取材に行く班もあります。また、瀬戸内海の自然の中で、サイクリングやSUPなどのアクティビティを楽しみました。秋口からは、調査・考察が本格化し、スライド作成や原稿執筆など具体的な作業も進行します。最後の練習機会として、「中間発表B」を行います。
研修旅行の様子①
研修旅行の様子②
3学期の取り組み
生徒自身の司会のもと、クラス内プレゼン大会を行います。特に優れている班は木月ホールでの「代表プレゼン大会」に進み、全校に向けて発信します。今年度は、緊迫する世界情勢に呼応していた点が特徴的でした。
クラスでのプレゼン①
クラスでのプレゼン②
全校を前にした代表プレゼン
アンケートによると、多くの生徒がこうした取り組みを通して「情報を収集する力」「事実を分析・考察する力」「構成を組む力」がついたと答え、班で協力しながら進めていく意味にふれていました。この学びでつけた力が、高校・大学での深い探究に発展していくことが期待されます。