THAT'S 法政二!

高校授業紹介13 -高2国語(文学国語)-

高等学校
THAT'S 法政二!

 現代社会においては答えが1つではない複雑な課題を、他者と協力しながら解決していく能力が不可欠になります。このような社会を見据え法政大学第二中・高等学校では、全教科にわたる幅広い教養を身に付けつつ、さらに、知識を獲得するにとどまらず、知識を用いて「自ら論理的に思考し、他者に表現することができる力」の育成を目指しています。具体的にどんな授業が行われているのか、今回はある日の高校2年生の国語科の授業を見てみましょう。

Q.今日の文学国語の授業では、どんなことに取り組んでいますか?

 今年度の高校二年生「文学国語」は、中島敦の『山月記』を学ぶところから始まりました。学習指導要領が新しくなり、本校では、高校二年生の国語で「文学国語」を選択することになりました。

 情報があふれ、様々な価値観も揺らぎ、慌ただしさの中で人間性の喪失が危惧された時代であっても、60年も高校二年生の国語の教科書に載り続けるこの作品には変わらぬ力がこもっていると思います。このような時代だからこそ、原点に戻り、避けることのできない運命と人間の存在の苦悩や矛盾について考えられればと思っています。

 今後も、三島由紀夫、加藤周一、坂口安吾、夏目漱石、山川方夫、村上春樹など、近現代の作品を学んでいきたいと思います。また、それらを一方的に教授するだけではなく、生徒自身が考え、発見し、自らの考えを深め、表すことのできるアクティブな授業にも取り組んでいきたいと思っています。

Q.国語科では、このような取り組みをもとにして、どのような力を身に着けてほしいですか?

 今年度、新しい学習指導要領に基づき、高等学校の国語科は、文学的な文章を学ぶ「文学国語」と、論理的・実用的な文章を学ぶ「論理国語」のどちらかを選択することとなりました。「論理国語」は論述の力や批判的な読解力を育むことだとされています。一方の「文学国語」は小説、随筆、詩歌等に描かれた人物の心情や情景、表現の仕方等を読み味わい、さらに、それらの創作や表現に関わる能力を育成するものだとされています。

 多くの高校が(特に受験を意識した高校が)「論理国語」を選択する中で、本校は「文学国語」を選択しました。本校国語科では、文学作品と論理的文章を細かく区別して学ぶ必要はないと捉えています。両者を無理に切り分けるのではなく、長い期間、読み続けられた「文学作品」に触れ学ぶことが大切であり、それらを単に抒情的に鑑賞するのではなく、深く読み解き、思索する大切さを知り、また論理的な力も身についていくことにもつながると判断し、実践しているところです。

 いかがでしたか? 法政大学第二中・高等学校ではこのほかにも様々な工夫がこらされた授業が行われています。今後もいろいろな授業について紹介していきたいと思います。

※授業における取組の内容については、年度によって変わることがあります。