THAT'S 法政二!

高校授業紹介19 -高1 現代の国語-

高等学校
THAT'S 法政二!

 現代社会においては答えが1つではない複雑な課題を、他者と協力しながら解決していく能力が不可欠になります。このような社会を見据え法政大学第二中・高等学校では、全教科にわたる幅広い教養を身に付けつつ、さらに、知識を獲得するにとどまらず、知識を用いて「自ら論理的に思考し、他者に表現することができる力」の育成を目指しています。具体的にどんな授業が行われているのか、今回はある日の高校1年生の現代の国語の授業を見てみましょう。

Q.今日の国語科(現代の国語)の授業では、どんなことに取り組んでいますか?

高1の「現代の国語」では、教材と教材をブリッジするようなカリキュラムを組んでいます。具体的には、1学期は平野啓一郎の評論「『本当の自分』幻想」と村上春樹の小説「鏡」をブリッジさせて論じるような論文課題を出題しました。2学期は上田紀行の評論「グローバリズムの遠近感」と堀江敏幸の小説「河岸段丘」をブリッジさせて授業を進めています。そして、特に1学期の村上春樹「鏡」もそうでしたが、小説の学習は教師からの一方的な教授形式ではなく、グループワークによる発表形式のみで授業を進めています。そこでは、グループ内での協同性を高めつつ、非常に高いレベルでの発表がなされています。こうしたカリキュラムの形で年間を通して、小説を読み続けることによって、殆どの生徒が文学的な「小説」を「読む」面白さに目覚めるようです。

Q.国語科では、このような取り組みをもとにして、どのような力を身に着けてほしいですか?

このような取り組みを通して、単発の教材に収まることなく、評論文等で得た概念などを自分の血肉にしつつ、その概念を用いて小説を深く読む体験を繰り返すことで、確かな概念の獲得と豊かな小説の読み方を身に付けることができます。

また、活発なグループワークやそれを経てのレジュメづくりやプレゼンテーションの姿勢なども含めて相互評価をしつつ、評価をしていきますので、年間を通して、グループでの活動のコツとして「聞くこと」や「話すこと」が磨かれ、コミュニケーション能力の向上や、より分かり易いレジュメやパワーポイント資料の作り方、人に伝わりやすい発声法や表現方法も身に付けることができます。

こうした能力は、きっと高校生の皆さんが大学や社会に飛び立った後も非常に役立つことと思います。

 

 いかがでしたか? 法政大学第二中・高等学校ではこのほかにも様々な工夫がこらされた授業が行われています。今後もいろいろな授業について紹介していきたいと思います。

※授業における取組の内容については、年度によって変わることがあります。