法政二高の高校3年生は、1~2講座の「必修選択講座」を履修します。この必修選択講座は、各教員が専門性をいかして講座を開く大学のゼミのような少人数の授業です。多種多様な講座の中から、生徒が自らの興味・関心や問題意識に応じて講座を選択し、より広く深く学習することができます。
今回は、英語科の講座として開講されている「英語多読―洋書を読もう―」について紹介します。
Q.英語多読―洋書を読もう―はどんなことを勉強する講座ですか?
この講座では、前期に多読(易しいと感じる洋書から読み始めて徐々に語数の多い本へと読書の幅を広げていく学習法)を通して、「英語を英語のままで理解する」読み方を身につけます。後期は各自の興味に合わせて選んだ本格的な洋書を読み進め、内容を理解していきます。
多読では自分の興味やレベルに合わせて本を選ぶので、同時に誰かと同じ本を読んでいることがありません。そのため1人で読めるか不安になる生徒もいましたが、最初は文字の少ない絵本からスタートするので、「自分の力で読めた」を実感できると、読むことが楽しくなり、どんどん読み進めることができるようになります。
Q.英語多読―洋書を読もう―の特徴的な取り組みについて教えてください。
授業では、本を読むだけでなく、グループに分かれて読んだ本を紹介し合う活動を多く行います。話し手は本の紹介を通して本の内容の理解が深まり、聞き手は紹介を聞くことで次に読みたい本を見つけることができます。後期は同じ本を読んだ人同士で集まって、本の内容を話し合いました。その中で、1人ではわからなかった部分がわかったり、「おもしろいな」と思う箇所がそれぞれ違うことを発見したり、有意義な時間になりました。
また読んでいる本について紹介する発表活動も行いました。特に後期は本のテーマが「脳について」「現代社会の見方について」「習慣の形成について」などだったので、お互いの発表から学ぶことが多くあったようです。
この講座では毎授業ごとにコメントを書いてもらっています。後期は「今日学んだことの中から次回までにやると決めた行動」という欄を設けました。例えば、「脳について」を読んでいた生徒は「7時間睡眠が勉強にも効果的」と書いてあったので、実際に試験前でも「7時間睡眠をとる」と決めました。すると「頭がすっきりして勉強に集中できた」とコメントしてくれました。生徒はその日に読んだ内容や他の人から聞いて学んだことを実際にやってみることで、本で学んだ内容をより深く理解することができます。
いかがでしたでしょうか?今回の「英語多読―洋書を読もう―」を含め、法政二高では例年40~50 個もの必修選択講座が開かれていて、それぞれ工夫がこらされた授業が展開されています。
今後もさまざまな選択講座について紹介していきたいと思います。
※開講される選択講座や、その内容は年度によって異なります。