法政二高の高校3年生は、1~2講座の「必修選択講座」を履修します。この必修選択講座は、各教員が専門性をいかして講座を開く大学のゼミのような少人数の授業です。多種多様な講座の中から、生徒が自らの興味・関心や問題意識に応じて講座を選択し、より広く深く学習することができます。
今回は、情報科の講座として開講されている「理系のためのデザイン入門」について紹介します。
Q.「理系のためのデザイン入門」はどんなことを勉強する講座ですか?
理系のためのデザイン入門(通称:リケデザ)では、近年注目を浴びているPBL(Project Based Learning)を行っています。
生徒が自ら課題を発見し、分析し、解決方法を個人やグループで模索していきます。 法政大学の理系学部は工学系が多いので、モノ作りやシステム作りをゴールとして取り組みます。
デザインは、絵を描いたりするだけのことではありません。人間の「こうしたい!」という要求を噛み砕いて実現に向けて動くプロセスもデザインという行動です。課題発見から課題の分析、解決アイデアの検証、科学的なエビデンスや先行事例の調査、そしてモノ作り。これらの方法論を実践的に学びます。
教員のほかにプロのデザイナーに助言をもらう機会も用意されています。生徒達は苦闘しながらも楽しく取り組んでいますよ!何といっても目に見える形で自分のプロダクトが出来るのでやりがいがあるみたいです。
Q.「理系のためのデザイン入門」の特徴的なレポートや、取り組みについて教えてください。
1学期は4週間というショートタームで、個人戦として、「ピクトグラムを作成しよう」、グループ戦として「学校内の課題を解決しよう」に取り組みました。2学期は7週間のロングタームで個人戦の「選択授業のロゴマークを作成しよう」、グループ戦の「社会の中の課題を解決しよう」に取り組みました。
選択授業のロゴマーク作成では、講座担当の先生にインタビューを行うなどしながら制作しました。優秀賞のいくつかは、次年度の選択授業の表札になる予定です。また、「社会の中の課題を解決しよう」では、電車の優先席をサポートするような「ヘルプマーク」の制作に取り組みました。「若い人は身体が不自由でも優先席を使いにくい」「生理痛など目に見えないことだと怒られそう」といった声を元に駅員さんにインタビューをしながら制作しました。プロトタイプ(試作品)を身に着けて検証もしてみたようです。
このように、知識を得て“ハイ、終わり”ではなく、かなりリアルな取り組みです。最後に行う、プロダクト発表会は質疑応答がかなり盛り上がりますね。
いかがでしたでしょうか?今回の「理系のためのデザイン入門」を含め、法政二高では例年40~50 個もの必修選択講座が開かれていて、それぞれ工夫がこらされた授業が展開されています。
今後もさまざまな選択講座について紹介していきたいと思います。
※開講される選択講座や、その内容は年度によって異なります。