法政二高の高校3年生は、1~2講座の「必修選択講座」を履修します。この必修選択講座は、各教員が専門性をいかして講座を開く大学のゼミのような少人数の授業です。多種多様な講座の中から、生徒が自らの興味・関心や問題意識に応じて講座を選択し、より広く深く学習することができます。
今回は、社会科の講座として開講されている「まちづくりを考える」について紹介します。
Q.「まちづくりを考える」はどんなことを勉強する講座ですか?
私たちの学校は日本有数の大都市の一角にあります。多くの生徒たちは都市で生まれ、都市で生活していきます。この都市はどのように形成され、どのような課題を持っているのでしょうか?そのようなことを「まちづくり」の観点から考えていく講座です。
Q.「まちづくりを考える」の特徴的なレポートや、取り組みについて教えてください。
前期では、「まちづくり」を考えるための基礎的な事例を考えていきます。法政二中高がある武蔵小杉は、多くのタワーマンションが立ち並ぶようになりました。それは何故なのか考えていきます。いろいろな意見がでます。武蔵小杉はもともと工場地帯でありましたが、2000年代に工場移転した跡にタワーマンション群がつくられたのです。鎌倉の駅周辺には、大きなビルも電線もありません。その理由を考えてもらいます。そこを考えていくと、鎌倉の街の緑を住宅化から守る市民運動がおこり古都保存法が制定されたこと、鎌倉市が街の統一性を保つために各種のまちづくり条例をつくってきたことを学ぶことになります。
こうした事例をさらに学ぶために「まちづくり」に実際に携わっている法政二高OBに出張授業していただきました。2023年度は二人のOBに来ていただきました。一人の方は私鉄を経営する会社に勤めている経験を踏まえ、特に都市と防災について考える授業をしていただきました。もう一人の方には、スポーツ関連会社における実践を事例にして「スポーツとまちづくり」という授業をしていただきました。
その後、特に東京、川崎、横浜の都市形成の歴史と、それぞれの都市の特徴について学んでいきます。
こうした授業を前提に、最後に生徒にはレポート「私の街のまちづくり」をまとめてもらいます。まずは中間発表を行い、その後、さらにレポートを仕上げていきます。2023年度のレポートのテーマとしては「観光地化が進みすぎたまち 横浜中華街で今起きていることは何か」「アフターコロナのまちづくり」「ものづくりのまちづくり」などがありました。
いかがでしたでしょうか?今回の「まちづくりを考える」を含め、法政二高では例年40~50 個もの必修選択講座が開かれていて、それぞれ工夫がこらされた授業が展開されています。
今後もさまざまな選択講座について紹介していきたいと思います。
※開講される選択講座や、その内容は年度によって異なります。